EVO2018の思い出③ 〜本番の前日は寝る・食べる・ ギル〜

いよいよEVOが始まった。この日は出る種目がないので、予定通りモガ班のみんなと合流し昼食へ向かう。最寄りのホテルまでタクシーで移動し、冷房の効いたロビーを快適に闊歩する。

 

当初行く予定だった場所を変更し、Twitterで見つけた情報をもとに MarlinPie おすすめのビュッフェ Wicked Spoon へ。少しの間とはいえ炎天下の中を歩く、地獄のRPGが始まった。

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昼間の日照りは自然の力を知るには十分だった。初日に体験した夕暮れ時でさえ息苦しかったのに、空を見上げることは勿論、アスファルトで跳ねかえる日差しと目を合わせることも辛かった。

 

言葉にならない暑さ、行き交う人は誰も笑っていない。上を向いて歩くには眩しすぎて、うつむき加減で歩み続ける。するとどうだろう、アスファルトには大人のステッカーがあらゆるところに散りばめられているではないか。こんなところにも希望が落ちてる、それがラスベガスって街らしい。

 

炎天下の下で半分全裸の女性が2人、懸命に客引きをしている。この暑さの中で唯一笑顔だったのは彼女たちだけだったかもしれない。弱点にシールを貼り付けただけの無防備な装備。この日差しの下で生きるにはあまりにも幼すぎた。ドラクエの “えっちな下着” よりも防御力の低そうな装備のミネアとマーニャだ。

 

「 彼女たちはどれだけ強力な日焼け止めを使っているんだろう?」

「 これだけ過酷そうな仕事で幾ら貰っているんだろう?」

「 これは占い師ではない、ぱふぱふのMOBだ。」

 ‥などと考えていたけれど、そんなことより日陰を探すのに精一杯だった。頭の中で日差しから逃れる最短ルートをナビしながら目的地へ向かう。そんなことを考えるだけでも歩くことが少し楽しくなるから面白い。

 

Wicked Spoon のあるコスモポリタンに到着。トラマナなんてない現実世界だ。一目散に冷気に逃げる。入り口付近には色取り取りのお酒を置いたバーカウンターがあり、外との温度差をより強く感じた。この先に目的地があると知らないと引き返してしまいそうな一本道を進む。道すがら、エンさんが謎のオブジェに囲まれたセーブポイントで記録を上書いていた。 

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少し歩くと開けた場所に Wicked Spoon を発見し、数十分のRPGは終了。お洒落なロゴが印象的だ。

 

ここのビュッフェは最高に美味しかった。まず円卓にデフォルトで水が配置してあることに喜びを噛みしめる。この土地で当たり前のように出てくる飲み物と言えば、ピンクレモネードやコーラ、ジンジャーエールにスプライトと砂糖入りの炭酸水ばかり。私は普段から水を大量に飲むので、この配慮は本当に嬉しかった。

 

店内はオレンジ色のネオンに包まれ、明るく上品な雰囲気を醸し出す。ゆとりのある間取りに、積極的に気を利かせてくれる店員さんからも “ちょっといいとこ” な感じが出ていた。

 

ビュッフェってやつはいつだって楽しい。誰かが盛ってきた “美味しそうなもの” を見るだけでも会話が弾む。エンさんやおネギは野菜も摂取するバランス感覚を持っていたけど、私やタロちゃん、モガ美ちゃんのお皿は茶色にひしめいていた。

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*3枚目はあまりの甘さにやられている様子。

盛りに盛った様々なブラウンを平らげたあと、とっておきのスウィーツが待っていた。アイスクリームだ。ここのフローズンベリーヨーグルトのアイスが最高だった。許されるなら、グーニーズのチャンクみたいにケースを脇に抱えて頬張りたいくらいに美味しい。スッキリとして口溶けのいいフローズンヨーグルトにブルーベリーの濃厚な酸味と甘みが絡み合う。

 

もちろん “おかわり” をしたのだけど、2回目はチョコのついたディッシャーを使い回しされ私のアイスは汚されてしまった。白と紫だけのマーブリングなら美しかっただろう。しかしそこに紛れた焦げ茶色に溜め息が出たのも束の間、汚したはずのチョコも美味しいもんだから、行き場のない感情に尾崎豊するしかなかった。

 

ホテルに戻った後は一休み。寝る・食べる・ギル という単純な時間。それなのに充実感に満ちてしまう桃源郷だ。

 

夜は翌日から始まる本番に向けて、モガ班のみんなで対戦会。各々がどういう心持ちだったかは分からないけれど、楽しみや不安を心に秘めながらその時間をただ楽しんでいた。

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モガ班の対戦会が終了後、部屋に戻る前にエンさんと一緒にLOXさん・もっちーさんの部屋に寄って “追いギルティ”。おみGOD・押田さん・LOXさん・もっちーさんという恐ろしい面々と一緒に楽しんだ。

 

明日はいよいよ本番だ。心臓は間違いなく昂ぶっている。