EVO2018の思い出④ 〜予選開始も運命は残酷なもので〜

長い1日が始まった。

 

日付をまたぐまで起きていた前日がある。それなのに思いがけない方向で目覚まし時計は機能しなかった。時刻は 7:00、予定時刻よりも早く目が覚める。楽しみな気持ちは勿論あるけれど、この日は不安の方が勝っていたんだろう。楽しみが強いならきっと眠れていない、そういう体質だ。

 

予選は開始時間を4つの組に分けて行われる。通称[ 8:00組 ][ 10:00組 ][ 12:00組 ][ 14:00組 ]と呼ばれており、自分は 10:00組 だった。しばらく考え事をしながら寝起きの脳に血を巡らせる。居ても立っても居られなくなり、8:00 組の観戦に行く予定だったモガちゃんに連絡を取り、PS4とモニターを借りに行くことに。ちょうどその頃 8:00組 である同室のエンさんも目が覚めた。激励の言葉を交わし暫しのお別れを告げる。

 

足早にモガちゃんの部屋を行き来し、部屋に戻るとエンさんはもう出発した後だった。同じ 10:00組 の七味ちゃんと待ち合わせ時間を決めたあと、時間までコンボとセットプレイをひたすら繰り返していた。不安を掻き消すかのように。

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待ち合わせの時間より少し早めに部屋を出て朝食を済ませる。大会の時は、本番の約2時間前に何かしら食べてから臨むようにしている。何も食べずに望んだり飲み物だけで済ませたりと色々試したが、少なからず糖質を摂取しておくのが自分には一番良い方法らしい。その後、七味ちゃんと合流し会場へ。会場に着くと着々と予選は進行している。

 

10:00組 の予選が始まった。初戦はシード枠だったので、WinnersでPool抜けをするには3回勝ち抜く必要があった。レイヴン・アクセル・梅喧と順に戦い無事に通過。初戦とPool決勝が配信台だった。

 

【 対レイヴン 】Twitch

【 対梅喧 】Twitch

 

Pool後の試合は 16:00 開始と聞き、一旦部屋に戻り仮眠。少し休んだ後、エンさんと一緒にふもさん&けだこさんの部屋で対戦をしつつ会場に戻る。

 

Pool抜け初戦の相手は ShinSin氏のアンサー。想像以上に強く苦戦を強いられた。徹底して的を絞らせない立ち回りで捉えづらかった。起き上りも安易に空蝉に頼らずに、丁寧なガードを盾に動いていたので、アンサー用の起き攻めがあまり機能せず、簡単にダメージを取れるはずのポイントが少なかった。今回のEVOで初めて名前を知ったけど、上手い系のプレイヤーで今後も伸びてきそうなポテンシャルを感じた1人だ。

 

続いての相手が決まる「 ナゲさん vs おネギ 」戦を見守る。本当に熱い試合だった。この試合を配信台でやらなかったことが勿体なかったと思っている。おネギの “勝つための執念” があらゆる部分に垣間見えた試合だった。1点読みの開幕2HSや割り切った6Pなど、後で聞けば相手を格上と認めた上で普段やらない選択肢を取り入れたそうだ。一度はナゲさんに傾いたペースを強気の行動で再度握り返してもぎ取った執念の勝利である。

 

そしておネギとの試合。前日に対戦してたこともあり、手の内はお互いある程度分かっていた。甘えた行動は咎められていたので、頼らずに慎重に立ち回った。立ち回りの有利を活かしチャンスをものにすることができた。 

 

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そこから暫く時間が空き、Winnersでのベスト8を決める最後の闘い。相手はエンさんだった。奇しくも同室の相手、運命とは時に残酷なものである。なんとか勝利することはできたけど、負けていてもおかしくない内容だった。緊張もあったのか、前日に対戦していた時よりも防御面が脆く試合中に改善できないと判断した。そのため攻撃面に意識を振って誤魔化す試合展開にしたのだけど、途中でこっちの焦りがバレてしっかり対応された。

 

【 対エンさん 】Twitch

 

壇上行きが決まった瞬間は本当に嬉しかった。今年のEVOに出場する上で掲げていた目標の1段目だ。目標と約束は叶えるためにある。

 

その後は翌日に必要な写真を撮るためにバックヤードへ移動。バックヤードで、同じくよしもとゲーミング様のスポンサードを受けたkuboさんと遭遇。DBFでベスト8を決めたらしく、見たことのない笑顔で喜んでいた。見てるこっちまで嬉しくなる笑顔だ。

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ベスト8での集合写真。まちゃぼーさんは時間の都合でご一緒できず。。!

またこの日、個人的に1番印象的だったのはふもさん。カズノコさんとのLoosersベスト8をかけた最後の試合に勝った時の喜びは、背中まで伝わる “もの” があった。カズノコさんも清々しい表情で、負けてしまったけど格好良かった。

 

真剣に取り組んでいたからこそ生まれる感情表現は、誰かの気持ちさえも揺さぶるものだ。ゲームとはいえ真剣に闘っている。だからこそ感動が生まれる。自分もそういう試合がしたい。そしてできればその上で勝ちたい。

 

翌日は壇上での決戦だ。感動できる試合ができるよう、そして勝てるよう祈りながらこの日は眠りについた。